ダイヤモンドの誘惑
黙り込んでしまったかすみを、

オレは抱きしめた。

・・・

これ以上は聞かない方がいいのか。

それとも知っておくべきなのか・・

・・・

抱きしめたまま

考えていた。

・・・

今のオレは、

上田を殺してしまいたい程、

憎悪で一杯だった。

・・・

なぜ、自分が愛した女を、

こんな目に合わすのか、

オレには理解できない・・・

・・・

「・・・かすみ」

「ごめんなさい・・・

私、もう帰ります・・・

やっぱり、私はもう

貴方の傍にいちゃいけない」

オレの手を振りほどいて、

かすみは立ち上がり、

帰ろうとした。
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