ダイヤモンドの誘惑
「いらっしゃいませ。

どういった物をお探しですか?」

営業スマイルで客を見つめた。

・・・・が、

・・・

相手の笑顔の方が、

数段綺麗だった。

・・・

「・・・あの?」

一瞬ドキッとしたが、

何も言わないその紳士に、

もう一度声をかけた。

・・・

すると、

・・・

「今日は、君を見に来たんだ」

「・・・はい?」

首を傾げる私に、

・・・

「テレビや雑誌より、ずっと

綺麗な子だな?」

「・・・」

「また来るよ」

唖然とする私をよそに、

その紳士は本当に商品には

目もくれず、

帰っていった。
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