ダイヤモンドの誘惑
かすみのマンション前。

車を止め、帰りを待っていた。

・・・

この俺が、

女を待つっていう事をするとは、

自分でも驚きだ。

・・・

かすみを好きになったわけじゃない。

・・・

オレは、

城ノ内蓮を陥れたいだけ。

・・・

それだけのはず・・・

こうやってかすみを待つのは、

策略の一つに過ぎない・・・

・・・

煙草を道路に捨て、

足で火を消した。

「・・・あ」

・・・

その声に、見上げたオレの目に、

かすみの姿が映った。

・・・

静かに近寄ると、

かすみの目が真っ赤な事に気がついた。
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