ダイヤモンドの誘惑
「そう?・・・

は、母からのお下がりなんだけど」

・・・

咄嗟に出たウソ。

・・・

蒼はそうなんだ…と、

サラッと話を流してくれたので、

私は気づかれないように、

溜息をついた。

・・・

「今度、かすみに、

ラブラドライトの指輪を

プレゼントするよ」



「ラブラドライト?」


「・・・ああ。

オレとかすみの愛を成就させてくれる」



「・・・」

・・・

愛を成就?

私たちに、愛など存在しないのに?

そう思い、

何も言えなかった。
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