ダイヤモンドの誘惑
かすみは黙って頷くと、

ソファーに腰を下ろした。

・・・

それを確認したオレは、

かすみの前に行くと、

跪いて、かすみの両手を優しく包んだ。

・・・

かすみはギョッとして、

目を見開く。

オレの態度に、どうしていいかわからず、

黙り込んだまま。

・・・

「かすみ」


「・・な、なんですか?」


「今日かすみをここに呼んだのは、

大事な話があるからです」


・・・

しばらくの沈黙の後、

オレは片方の手をポケットに入れ、

小さな箱を取り出した。

・・・

そして箱をそっと開けた。
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