ダイヤモンドの誘惑
「わ、私、帰ります」

かすみは慌てて、

オレの腕からすり抜けると、

洋服をわしづかみ。

・・・

そそくさとそれを着た。

・・・

オレはベッドから

かすみの様子をうかがう。

・・・

「あの・・この鍵、

やっぱりお返しします。

私には必要ないから」

・・・

そう言って鍵を持った手を、

オレに差し出した。

・・・

オレは、鍵を受け取るふりをして、

かすみの手を引き寄せた。

・・・

かすみはその力に負け、

オレの腕の中にすっぽり収まってしまった。

・・・

「それはもう、かすみのモノ」
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