冷たい雨に咲く紅い花【後篇ーside実織ー】


「…紘、夜…」

考えるより先に

名が、
零れた。


「紘っ…紘夜!紘夜ーー」

ひとつ零れると、

せきを切ったように、

声が
名が

想いが


溢れた。




溢れ出したら、


もう、



止まらなかった。





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