冷たい雨に咲く紅い花【後篇ーside実織ー】
バシャバシャ
「ぃたッーー」

思いがけず肩に激痛が走り、
その痛さに悲鳴のような声が出て、

自分の肩の方を向いた。


見ると、

真っ赤になったドレスの肩のあたりに
何か水のようなものをかける吉水さんの姿。


「まずは傷を洗って、その後止血するから」

「そ、そんなことより、紘夜がッ…」
「紘を追いかけて、それからどうするの?
君が、紘を助けられるとでも言うの?」


「ーーっ」


返す言葉が、ない。



私に、


紘夜を助けられるはずがない。



私には、
そんな術は、ない。


銃も持たず、

体を鍛えているわけでもない。



わかってる。



私が紘夜のもとに行った所で、
前のように、

足手まといになるだけ。



それでも、


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