春 雷
気がつくと雨は小降りになり、千切れかけた雲のすき間から、やわらかい夕陽が差し込んでいた



結局、先輩を好きな気持ちは言えなかった


先輩はそのことに気づいていたと思う



でも、私は満足だ


こうして先輩と二人きりで話が出来ただけで満足だった



数日後、三年生は卒業式を迎えた


卒業証書を受け取った田島先輩が演壇の上からみんなに手を振る


爽すぎるよ


眩しすぎるよ


先輩


あなたはやっぱり私の太陽です

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