俺、お前のこと好き。
「愛里」
うとうとして薄れかけてた意識を、誰かの声が現実に戻す。
「ん……アキ?」
「正解。おはよ」
はい、とあたしの膝にふわりと膝掛けをかけると、秋は隣の席で頬杖をついた。
かすかな花の香りがあたしの鼻をくすぐる。
水谷秋(ミズタニシュウ)は、あたしの彼氏。
だけど、あたしは秋をアキと呼んでいる。
初めて名前を見たとき、アキって間違えて呼んでからそのまま今もアキ。
「幸せそうに寝てたね」
「…う」
寝顔見られてたのか。
すっごく恥ずかしい……
「なんの夢見てたの?」
ぎくっ
………秋とデートしてること…
…なんて、恥ずかしくて言えない!!