俺、お前のこと好き。
季節は冬。
もうすぐでクリスマス、といったとこで。
最近は寒いからの家でぬくぬくしてることのほうが多いよね。
校門から外に出ると、秋がいつものように指を絡め、恋人繋ぎをする。
「クリスマスどうしようか」
「あたしは秋の部屋でいつもどおりいたいかな…」
二人でいられることが何よりも嬉しくて。
あたしの答えにふわっと微笑む秋に、胸がキュンッてする。
「ん、りょーかい」
キュッ、と繋ぐ手に少し力が入る。
これが秋の照れてるしぐさだって知ってるから少しにやけた――――
いつもと変わらない帰り道。
いつもと変わらないあたしと秋。
ちらほらと降ってくる雪が、帰り道が、秋といると輝いて見える。
そうしてると、気がつけば秋の家についていた。
「いらっしゃい、お姫様」