青空バスケ―番外編―
……その日の昼休みのことだった。
あたしは友達と一緒に机をくっつけてご飯を食べていた。
「はー……あとは部活の人に配れば終わりだ」
「アッコ、テニス部だから人数多くて大変そー」
「ミドリは吹奏楽でしょ?」
「うん。女の子からいっぱい貰えるよー」
みんなやっぱり部員にもちゃんと配るんだなぁ……。
あたしも作ってきたけど……量が多くて大変だった。
来年も作るかどうかは悩みどころ。
「栞奈は?バスケ部の人にあげるんでしょ?」
「うん、頑張って作った!」
「男ばっかりだからねー。
お返しとかすごそー!」
「てかさ、バスケ部の先輩に一人超カッコイイ人いなかった?」
カッコイイ人……?
カッコイイ人……。
うーん……あ!
「南雲先輩?」
「かな?
名前は分かんないけど、高瀬と話してるところ見て超カッコ良かった!」
南雲先輩、モテそうだもんなぁ……。
チョコとかいっぱい貰ってそう。
ちょっと興味あるから、いくつ貰ったか聞いてみよーっと。
そう思い、ワクワクしながら玉子焼きを口に入れた……その時だった。
「おーい、高瀬!」
教室の入り口のそばにいた男子が大和を呼んだ。
不思議に思いながら何となくそっちに視線を向けると……扉のすぐ近くに友達に付き添われてモジモジしながら立っている女子がいた。