青空バスケ―番外編―

「……別に、バスケだけに限らないだろ」

「……え？」

「バスケだろうが野球だろうがサッカーだろうが……もちろんスポーツだけじゃなくて、何にしてもさ、何かに一生懸命取り組んでる姿ってその人が輝いてる瞬間でもあると思うし……他の人から見てもカッコイイと思うけど」


……そこまで言って、先輩はポンっと優しくあたしの頭に手を載せた。


「栞奈が惚れたってことは、他の奴もそんなアイツに惚れることなんてたやすいことだ」

「先輩……」

「アイツはバスケやってる時は本当に輝いてるからな」


……そう。

バスケをやっている時の大和は本当にカッコイイ。

あたしはそんな大和が大好きで……そんな大和をずっと見てきた。


「……んで？大和、本命でも貰ったのか？」

「なっ……」

「そういうことだろ？
今の栞奈の話と様子からして」

「……分かんないですけど、多分そうです」


あたしが少しぶっきらぼうにそう言うと、先輩はなぜか楽しそうに笑った。


「だからそんな不安そうな顔で大和のことずっと見てたのか」

「何で笑うんですかー……」

「いや、大和は幸せ者だなと思ってさ」

「え？」


あたしが聞き返しても、先輩は笑うだけで何も答えてくれなかった。

そのままポン、ポンと優しくあたしの頭を撫でて、練習に戻っていってしまった。


「……何だったんだろう……」