青空バスケ―番外編―
その日。部活が終わった後、すぐさま相沢先輩があたしの元に寄ってきた。
「カンちゃーん、甘いものちょうだいー」
先輩の言う甘いもの。
それが何を指してるのかすぐに分かった。
相変わらずの緩い口調に和みながら、あたしは先輩にラッピングしたものを手渡す。
「やったー」
相沢先輩ってこういう甘いもの好きだもんね。
早速チョコを食べ始めた先輩を見ながらそう思っていると、わらわらと他の部員も集まってきた。
「岬ー、俺も!」
「俺にもちょーだい!」
うわわわ……押し潰されそう……。
「ちょっ……みなさん、並んでくださいー!」
そうあたしが叫んでいる遠くの方で……大和がバスケットボールを抱えたまま複雑そうな目でこっちを見ていたことなんて……全く気がつかなかった。