青空バスケ―番外編―
「……どうして?」
「……どうしてって……別にそこまでチョコが好きなわけじゃねぇし」
「でも……」
去年までは普通に貰ってたのに……。
「……じゃあ、あの子も貰ってないんだ……」
「……あの子?」
あたしが思わず口に出してしまった言葉に、大和が反応する。
「………あぁ」
そこで大和は何かに気づいたようにあたしの顔を見た。
「お前……それでずっとおかしかったわけ?」
「え……あ……う……」
図星か、と大和が笑う。
そしてポンっとあたしの頭に手を優しく載せた。
「安心しろ。……約束しただろ。
一緒にインハイに行こうって。
……それまで、俺は絶対お前の傍から離れない」
「……大和……」
ドキドキ……と胸の鼓動が加速する。
……大和の優しい微笑みに心がじんわり熱くなっていく。