青空バスケ―番外編―
「ちょっと、蓮君!」
キッチンにいた梨子がそんな岬の様子に気がついて飛んでくる。
そして睨まれる俺。
……俺が悪いの?
俺、何かした……?
「……そんなに大和に連絡してほしくないわけ?」
俺がそう聞けば、岬は目に涙を溜めたままコクリと頷く。
その拍子に涙が一雫こぼれ落ちる。
「ただのケンカじゃ……なさそうだな」
いつものパターンかと思っていたのに。
ただの口喧嘩から発展した家でではなさそうだ。
「……あたし、ダメかもしれない」
ポツリと小さな声で呟く岬。
「岬……?」
「どうしよう……」
そう言いながらポロポロと涙をこぼす岬。
梨子がそんな岬の背中を優しくさする。
俺はどうしたらいいか分からず、小さく息を吐いた。