青空バスケ―番外編―
「栞奈の彼氏、俺のイトコだから」
「え………ウソ!?」
「本当。
だから、もしかしたらね」
そっか、幼なじみが彼氏か。
「……今度は、ハル君のイトコにも会いたいな」
「今度ね」
「ハル君のこと……もっと知りたい」
「……ゆっくりでいいよ。
これからは……ずっと一緒だから」
ハル君が優しく微笑んだ。
そうだね……。
これからはずっと一緒だね。
「結婚式には栞奈も呼ばないとな」
「でも、最初から呼ぶつもりだったでしょ?」
「俺にとっては妹みたいなもんだから」
分かってるよ。
ハル君、栞奈ちゃんと接するとき少し違った顔をしてたから。
海里と一緒に遊んでいたときのような……お兄ちゃんの顔。
「ご飯、食べた?」
「まだだけど……」
「じゃあ、今から作るね」
「本当?やった!」
ハル君のいろいろな顔を見せてほしい。
これから何十年と生きていく中で……ゆっくりと。
そして、いずれは……パパの顔も、ね。
―Fin―