青空バスケ―番外編―
「でも、また前みたいに戻れてよかったな」
「……はい」
少し間を置いて返事をしたあたしを見て、谷先輩が優しく笑った。
「どうした?」
「二人が仲直りしてくれたのはすごく嬉しいんです。
でも……何かちょっと寂しくて」
そう言いながらあたしはチラッとコートの方を見た。
「完全に忘れられてるし……」
「まぁ、本物の馬鹿共だからな。
周りなんて見えてないよ。
俺のことだって気づいてないし」
「でも、それでこそあの二人なんですよね」
「そうそう。
懐かしいな~……あのツーショット」
本当……。
もう二度と見れないかもって思った時期もあったから。
「でも、あの二人にとって栞奈はバスケ以上に特別な存在だと思うけどね」
「え……?」
あたしは驚いて谷先輩の方を見た。