青空バスケ―番外編―
それでも諦めずに男は栞奈に話しかける。
「ねぇ、岬さん……」
でも、栞奈は……
「ごめんね」
困ったように笑いながらそう答えるだけ。
「でも、お礼したいし……」
ウソつけ。
お礼とか言って栞奈に近づきたいだけだろ。
俺がより一層睨みを利かせると、男も負けじとこっちを睨んできた。
正に火花散る男の闘い。
負ける気はさらさらないけど。
「さっきから君……何なんだよ。
いつまでもくっついてないで岬さんから離れろよ」
……と、未だに栞奈の肩を抱いたままの俺を見ながら言う男。
「何って……彼氏だけど」
「……え?」