青空バスケ―番外編―

「顔、青白いよ?
大丈夫?」

「大丈夫じゃない……」


栞奈が俺の顔を覗き込んでプッと吹き出した。

だから笑い事じゃねぇって。


「でも、そっか。
今日ってポッキーの日だったんだね」

「栞奈のことだから食ってると思ってた」

「忘れてたの。
帰りに買って帰ろっと」


何味にしようかな~、なんて楽しそうに考える栞奈。


「じゃあ、俺とポッキーゲームする?」

「へっ!?」


途端に顔を真っ赤にする栞奈。

こういうとこが可愛い。


「や、やらないよ……!」


……半分本気だったけど。

まぁ、しょうがない。


すると、栞奈は顔を赤くしたまま小さく口を開いた。


「ポッキーゲームはしないけど……」

「ん?」

「……消毒ならしてあげる」

「消毒……?」


俺がそう口にした……その時。

栞奈の顔が近づいてきて……そっと唇が重なった。


「っ…………!!」


まさかの行動に驚く俺……。

唇が離れると……少し恥ずかしそうな栞奈。

そんな栞奈が愛しくて……俺はまた栞奈の唇にキスを落とした。



誰もいない部室。

こんな消毒があるんだったら……もう一度ポッキーゲームをしてもいいかなと思ってしまう、単純な俺がいた。


―Fin―


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