戦慄フォルテシモ




高瀬のバイト先に向かう途中で、さっきの言葉が妙に気になっていた



『……なぁ、さっきバイト先に居る奴らと仲良くなれるって言ってたけどあれ何?』




別にそんな事頼んでないし、望んでもいねぇ

俺に友達を作らせようとしてるなら、高瀬は本当におせっかいな偽善者だ




『あー仲良くなれるっていうか…ね、何か見つかるかなぁって』


『…………?』



『だって尚、いつもつまらなそうな顔してるじゃない。何か楽しい事でも見つかればって思っただけ』




--------------楽しい事?

俺は自分が何に興味があって、何に無関心なのか分からない


そう言えば、高瀬はいつも楽しそうだ



暫くすると高瀬のバイト先に着いた

サンセットと書かれた店は思ったより小さい



---------チリンチリン。

ドアを開けると取り付けられている鈴の音が鳴った




『高瀬です。店長、友達連れて………』


中に入ると複数の人が居て、全くカフェらしい店内じゃない


むしろテーブルや椅子はわきに積み上げられていて、何もない木目彫の床が広がっていた



『あー、彩ちゃん。ごめんね。ちょっと今日はカフェの営業出来そうにないや』


店長らしき人が高瀬に気付き困った顔をしていた





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