戦慄フォルテシモ
♯鳴り止まない差♯
肩にギターを背負い、制服姿で俺の後ろに立っている
俺は会いたかったはずなのに、いざ目の前にするとまたモヤモヤしたものが込み上げてきた
『店長、お茶二つ』
俺から1つ間を開けて鉄はカウンターに座った
それと同時に亮も席に腰かける
鉄の容姿は少しロックの影響を受けているのか、耳には複数のピアスが空いていた
『なんか機嫌悪いな。鉄』
店長はそう言って2人の前にお茶を置いた
確かになんか苛立っているのが分かる
昨日はいきいきとベースを弾いていたのに
『今日は学校で練習するって言ってただろ?』
店長が再び煙草に火を点けると、亮が苦笑いで答えた
『それが色々あって…』
『あーむかつく。練習しようとしてた音楽室が3年に占拠されててさ。俺らが先だって言ったら3年は今年で卒業なんだから1年は外でやれだとよ。音楽に年齢は関係ねーんだよ。馬鹿野郎』
鉄は不満を吐き出した後、出されたお茶を一気飲みした
『ごめんね。店長。こうゆう訳なんだ』
相変わらず亮はおっとりとしていて、どう見ても音楽をやってるようには見えない