戦慄フォルテシモ
2人の視線が俺に向き、どう対応したらいいか分からない
そんな中、高瀬がカウンター越しから2人に近付いた
『初めまして。高瀬彩です。これから宜しくお願いします』
宜しくって何をだよ?
案の定鉄はテンション高めに握手を求めた
『宜しくね。俺は鉄、気軽に鉄って呼んで。彩ちゃん』
-----------ちっ。
俺はそんな様子を冷ややかな目で見ていた
すると、俺の背後に人の気配がした
振り向くと、そこには差し出された手が。
『初めまして。咲嶋亮です』
女顔のこいつは高瀬ではなく、俺に握手を求めてきた
なんとなくそこに余裕を感じてますます気に食わねぇ
でも差し出された手を振り払う程俺は冷たい奴じゃないし、
それに気に食わなくてもこいつに興味があってここに来たのは事実
『………な、尚だ。どうも』
俺はいびつな自己紹介をして亮と握手をした
『ほら、鉄も』
亮がそう言うと、鉄は露骨にめんどくさそうな顔をしやがった
『男はいらねー。うち男子校だから男は見飽きてんだよ』
おい、こっちだっててめぇと握手したい訳じゃねーよ
『ごめん。鉄が失礼な事言って。普段はこんなにピリピリした奴じゃないんだ。ほら、鉄』
亮はそれをフォローしながら、無理矢理俺と鉄を握手させた
よく分からないが、亮はこうゆう奴なんだ
平和主義と言うか、常に周りが険悪にならない空気を作ろうとする