戦慄フォルテシモ
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亮の歌声は呼吸するように胸に入ってくる
客達の視線が一点に集まり、みんなその歌に聞き入っていた
言葉を失うとはまさにこの事だ
高瀬が横で泣いていた
店に居る全員が、そのメロディに感動と言う言葉では言い表せない衝撃を受けていた
言葉じゃなく
行動じゃなく
感情じゃなく
音楽で人の心を掴むあいつらの音
-------俺は初めて人を羨ましいと思った。
多分、ずっと消えなかったモヤモヤの原因はこれだ
いい大学に行って、いい会社で働くのが良い人生？
有り余るほどの金を手に入れて、権力を持つのが成功者？
そんなのくそくらえだ
俺は良い人生じゃなくても、成功者じゃなくてもいい
ただ自分のやりたい事をやって、あいつらみたいにキラキラした今を送りたい
