戦慄フォルテシモ
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それから数日後、サンセットに店長の声が響いた
『……は?音楽がやりたい?』
俺がそんな事を言い出したもんだから、高瀬も目を丸くさせている
『尚、ど、どうしたの?急に』
俺だってこんな事思うなんて夢にも思わなかった
確かに俺は音楽に興味はなかったし、楽器も歌も得意じゃねぇ
でも俺はあいつらと同じ空間、同じ空気を感じたい
あの世界にどうしても行きたい
『まぁ、音楽やるのは自由だけどよ。……あいつらを見て火がついちまったか?』
---------そうだよ。悪いか?
無謀だって自分でも分かってる。だって音楽を始めるには遅い年齢だ
『でもお前楽器は……』
店長が言いかけたその時、サンセットのドアが開いた
『ちーすっ。店長この前は有り難うね。おかげで反響すごかったよ』
タイミングが良いのか、悪いか現れたのは鉄と亮
『鉄あれからずっと上機嫌で。本当に有り難う。店長』
相変わらずのほほんとした奴だ
あんな音楽を弾くのに、普段の姿からはまるで想像できねぇ