戦慄フォルテシモ
正直に言った俺が馬鹿だった。
仕方ねーだろ。小さい頃親父に無理矢理習わされたんだから
『ピアノかよ。全然キャラじゃねーな』
店長にそんな事を言われ、俺は言わなきゃよかったと後悔した
『ふーん。って事はお前ピアニストになりたいって事か』
鉄に的外れな事を言われ、顔が自然にこわばる
ピアニスト?ちげーよ。確かにそれも音楽だけど俺がやりたいものじゃない
---------そんな中、空気を変えるように亮が呟いた
『ピアノの音はいいよね。俺は弾けないから』
なんか意外だった。だって音楽の事なら亮は何でも出来そうだから
『ほら、ピアノって足と手をバラバラに動かすでしょ?あれがけっこう難しいんだよね』
亮の言葉に鉄がその話に乗っかった
『あーそれを言えばドラムもそうだよな。両手足バラバラに動かすもんな』
------------ドラム?
詳しく知らないけど、あのガチャガチャうるさい楽器か
すると、それを聞いた高瀬がとんでもない事を言い出した
『尚、ドラム出来るんじゃない?』
『…………は?』