戦慄フォルテシモ
♯補欠要員♯
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俺は次の日、学校の音楽室に居た。今まで利用した事がないこの場所に来た理由は一つしかない
『……なんだ、これ』
今は廃部になってしまった軽音部が使っていたドラムがここにあると聞いたから
ドラムがどんな物なのか知っているつもりだったけど、実際見ると全然違う
椅子の中間と右足部分に太鼓が１つずつ、そして左にはシンバルが二枚重なったような不思議な楽器
どこがピアノと一緒なんだよ？全く別物じゃねーか
まだ俺はドラムをやると決めた訳じゃないし、あいつらねバンドに入るのも未定だ
“とりあえずお前は補欠要員だからな”
そう帰り際鉄に言われ、ドラムぐらい簡単に弾いてやると思っていたが今は心が折れそうになっている
とりあえずスティック二本を手に持ち、ドラムを叩いてみた
…………が、しょぼい音しか出ない
ステージで演奏していた奴らはもっとすごい音が出ていたのに
負けず嫌いではないけど、始める前から諦める奴は嫌いだ
どこまで出来るか分からないけど、やってやる
この日から俺の頭はドラムと言う単語でいっぱいになっていた
