戦慄フォルテシモ






『……んで、どうよ?』


放課後サンセットに行くと、むかつく顔で鉄に聞かれた


絶対こいつ俺がドラムなんて出来ないと思ってやがる


『……まぁ、余裕だよ』


全然余裕じゃないくせにそんな嘘をついた。だってなめられるのは嫌いだから



『へぇ。じゃぁ後で聞かせてもらうから。な?亮』


俺の強がりを見抜いているらしく、鉄が不適切に微笑む




『今度一緒に練習しようよ。同じバンドの仲間なんだから』



----------こいつ本気か?

あんなすごい音楽を弾くくせに、本気でこんなど素人を入れるつもりなのか?



端から見れば亮みたいな人間はいい人に見えるんだろうけど、俺はだまされねぇ

こうゆう奴ほど腹黒かったりするから




『ねー店長。高校卒業したらここで働かせてよ。そしたら音楽と両立出来るし』


突然鉄がそんな事を言い出した。高校卒業したらって後2年もあるのに



『嫌だね。お前みたいなタイプは接客に向いてねーよ。俺はお前よりこのまま彩ちゃんに働いて欲しい』



店長は鉄の要望をあっさり断り、何故か話は高瀬の方へ



『えー本当ですか?じゃぁ就職先サンセットにしようかな。なんて』




乗るんじゃねーよ。サンセット自体2年後にはどうなってるかわかんねーんだから




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