戦慄フォルテシモ
『でも2年後の話なんてしてていいのか?お前らプロ目指してんだろ?』
-----------ドクン。
“プロ”という単語を聞いて過剰に反応してしまった
『いや、目指してるけど…。実際問題2年の間になるのは厳しいだろ』
プロってまだ16歳だろ?確かにこいつらの音楽は他のアマチュアバンドとは違うけど……
『まぁ、お前はまだまだプロになる腕はねーな。鉄。でも亮は別だ』
店長の言葉にみんなの視線が亮に集まる
『いずれ音楽の世界に行くつもりなんだろ?お前はどう考えてんだ?』
これが高校生とする会話か?亮は多分、おれが思ってる以上にすごい奴なのかも
『音楽の世界はそんなに甘くない。それに1人でプロになっても意味ないよ。俺がやりたいのはバンドだから』
プロのバンド。
こいつらがやってるのは趣味でも遊びでもない。
その中に俺は入る気か?
『高校生でプロになるって難しい事なんですか?』
そんな中、バイトの作業をしながら高瀬が話に割ってきた
『プロに年齢は関係ねーけど、いちいち親の承諾が必要な年齢より自分で責任取れる方がいいに決まってる』
人生経験が豊富の店長が言うと妙に納得してしまう
そして先ほどの言葉にこう付け加えた
『学校を辞めてプロの道を選んだ奴を知ってるが、俺は反対だったね』