戦慄フォルテシモ
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それから数ヶ月が経ち、俺はドラム漬けの毎日を送っていた
最近は亮や鉄と一緒に練習したりするけど、やっぱりまだ上手くいかない
この数ヶ月で変わった事は音楽のリズムが掴めるようになった事とビートを多少刻めるようになった事
『それで亮がね……』
高瀬の口から頻繁に亮の名前が出るようになった事
前はサンセットで顔を合わせるだけだったのに、俺達がバンド練習する場所まで付いてきたりする
別に邪魔な訳じゃないけど、高瀬が興味あるのは音楽ではなく亮
それは誰の目から見ても明らかだった
『最近あいつの話ばっかりするよな。なんで?』
俺はわざとそんな事を聞いた
『え、そ、そう?別にそんな事ないと思うけど』
高瀬は相変わらず嘘が下手な女だ。それに、バンドの練習をしていても高瀬の目線はいつも亮
-------何かが気にくわない。
だけど俺と亮なんて天秤にかけられない程の差があって、今の俺じゃ文句すら言える立場じゃない
そんな事を思いながら、今日も高瀬とサンセットに向かった