戦慄フォルテシモ







『ねぇ店長。プロになれるのってどのくらいの確率?』


ここ数ヶ月で店長とも気軽に話せるようになった

あいつらはまだ店に来ていなく、高瀬はチラチラとドアの方を気にしてる



『あ?プロってお前はまだ早えーよ。尚』


店長は煙草をふかして、わざとその煙を俺にかけた


そんな事言われなくても分かってる。ただ聞いただけだし




『まぁ、道端に1000万円落ちてるぐらいの確率?』


『は?ほぼゼロじゃねーか』




思わず本気で突っ込んでしまった


確かに俺がプロを目指すなんて早すぎる話だけど、亮達と本気でバンドをやるならない話ではない


今の段階じゃほとんど夢物語だけど



『音楽は実力の世界って言うが俺は運もタイミングを必死だと思うよ?』


『………』


『くそ下手なバンドがデビュー出来る時もあれば、めちゃくちゃ上手いバンドが陽の目を見ない時だってあるんだから』



陽(ひ)の目を見ないバンド。なんとなくそれだけにはなりたくない


だって悔しいけどあいつらの音楽は表に出なきゃいけない気がしたから





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