戦慄フォルテシモ
♯覚悟と決意♯
その帰り道、外はすっかり暗くなっていた
外灯の下を4人で歩き、この光景も随分見慣れたものになった
『トワイライトか…。なんか亮らしいよな』
鉄が珍しく染々とそんな事を言った
『私は素敵だと思う。なんか亮が作る曲に合ってるし』
結局みんな亮という存在を一目置いている。まぁ、俺もだけど
外の気温は日に日に下がり、息も多少白くなっている
もうすぐ季節が変わる
トワイライトはこれからどんなバンドになるんだろうか?
ここに居た4人が将来のバンドに夢を見てる中、前からひときわ眩しいライトが目に入った
狭い路地裏で停まる一台の車
-----------ドクン。
それを見た瞬間、嫌な鼓動がした
暗くてよく見えないけど、こんな場所に高級車は無意味に停まってる訳がない
『……尚坊っちゃま』
ライトに映し出される影は、見慣れたうちの運転手
『え、尚坊っちゃまって……?』
高瀬が不思議そうに俺を見てる。勿論、亮や鉄も
すると後部座席の窓が静かに開き、そこから兄貴の顔が見えた
『尚、話があるから車に乗って』
いつもそうだ。俺が夢を見るとすぐに邪魔がはいる