戦慄フォルテシモ
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次の日のサンセット、案の定昨日の事を聞かれた
『尚、お前何か隠してるだろ?』
そう言っていたのは予想通り鉄だった。それに合わせるように高瀬や亮の視線が俺に集中する
『……?何かあったのか?』
事情の知らない店長はそんな俺達を不思議そうに見ていた
--------隠せない。
遅かれ早かれ言わなきゃいけない時はくる
俺は覚悟を決めて、親父の事や家の事をみんなに打ち明けた
もう普通に接してもらえないかもしれない。だって金や権利は人の人格さえも変えるから
『へぇ、ドラムだけにどら息子ってか』
第一声は店長の寒い親父ギャグ
----------うまくねーんだよ。
そんな中、やっぱりこいつが微妙な空気を浄化する
『尚は尚だよ。親なんて関係ない。それにやるのは自分でしょ?』
亮はいつものほほんとしてるけど、音楽に対してはいつも妥協しない
そう、やるのは自分。踏み出さなきゃ何も始まらねぇ
『それに音楽は1%の才能と99%の努力だよ』
亮はそう当たり前のように言ったけど、俺は逆だと思う
だって亮は99%才能で出来てる奴だから
追い越してやるなんて思ってない。ただやるからには肩ぐらい並べるようになりたい
それなら俺はその1%の努力を100倍すればいいだけだ