戦慄フォルテシモ
いつもそうだ
いつも、いつも、いつも、親父は不必要なものは切り捨てる
そして俺を自由に出来ないように鳥かごの中に押し込めるんだ
『------------音楽なんか?
俺に言わせれば今までやってきたものの方がよっぽど無駄だった』
親父の言う事は全て正しい。言う通りにすれば将来幸せになれる
そう小さい頃から言われてきた
でもその中に俺が心から望むものは何一つなくて、
何をやっても満たされる事はなかった
『俺は本気で音楽をやりたい。これは趣味でも遊びでもないんだ』
親父のレールで生きるのは嫌だ
失敗しても
後悔しても
俺の人生
自分で決めた事ならどんな事でも乗り越えられる
親父は俺の言葉を聞いてたった一言だけ言い放った
『それなら家を出てけ。跡継ぎにならない息子ならいらない』
親父は俺の事も簡単に切り捨てた
だけどそれでいい
後戻り出来る保険なんていらねーよ