赤い月 肆
そんな大それたコトを、知らず知らずのウチにやっちまってたとは…
なんか… 責任重大。
オトーサンになったような…
や、うさぎだって結構ペロっと『名付けて☆』みたいに言ったじゃん。
だから有頂天になって、ペロっと『うさぎ』って…
軽すぎたか?!
『うさぎ』はなかったか?!
いやいや、でもうさぎじゃん。
可愛いじゃん。
うさぎ以外、あり得ん。
いやいやいや、ソコじゃねぇ。
オトーサンはイヤだから。
俺はうさぎの男になりたいワケだから─────!!
「のぅ景時。」
うさぎが景時の手を握り、そっと顔から外させた。
深紅の瞳が、茶褐色の瞳を覗き込む。
「鬼である妾が、新たな命を授けたそなたを慕い、生まれ落ちたこの地を故郷と愛おしみ、離れ難く思うのは、可笑しな事か?」