赤い月 肆

景時は首を左右に振った。

そしてうさぎの腰を強く抱き寄せ、もう一度おでこをくっつける。


「うさちゃん…
ココ、好き?」


「無論。」


「俺のコト‥‥‥‥‥好き?」


「無論。」


(軽っ?!)


コレは…

違うよな。
そーゆー好きじゃねーよな。

あ。
聞き方がマズかったか?

『ココ、好き?』
とか先に聞いたから、別の好きになったンか?

うさぎが複雑な顔をする景時の首に両腕を回し、はにかんだ笑みを見せた。


「今の妾の帰る場所は此処。
いつか、何らかの事情でこの地を離れる日が来ようとも、帰れる場所は此処だけじゃ。
要らぬ心配をするでない。
そなたの元が、妾の帰る場所なのじゃ。」

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