赤い月 肆

(小悪魔どころじゃねーわ。
立派な悪魔だわ。)


だって、もうどーでもイイような気がする。

オトーサンもアリか、なんて錯覚する。

こんな今にもキス出来ちゃうような体勢で、そんな可愛いコト言われちゃねー?!

緩む、緩む、顔が。

俺が拉致って、俺が縋ってるから、うさぎはココにいるワケじゃない。

ココが好きだから。
俺が好きだから。

うさぎはココにいる。

シアワセ。

なんか色々違う気もするケド、もーイイや。

シアワセ。

蕩ける、蕩ける、顔が。


「良し。
完治したようじゃ。」


目も当てられないほどだらしない景時の顔をまじまじと眺めたうさぎが、力強く頷いた。

イヤな判断基準だな、おい。

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