赤い月 肆
鮮やかな赤い傘を買った。
きっと曇天に映えるだろう。
雨の日を待ち遠しく思うとか、人生初の経験だ。
ドレッサーは断られた。
『化粧などせぬ』らしい。
…まぁ、デスヨネ?
うさぎはうさぎのままで、完成形だ。
代わりに、口がバッテンになっている某有名うさぎキャラの、巨大ぬいぐるみを買った。
コレにロッキングチェアを占領させて、うさぎが月を眺める時間を減らそうなんて企んでいるコトは、内緒だ。
「帰るぞ。
飯の支度をせねば。」
「毎晩、大変じゃね?
たまには外で食べてもイイじゃん。」
おいおいおいおい?
ナニ、コレ?
夫婦の会話ぁぁぁぁぁ??!!//