赤い月 肆
でも‥‥‥監禁。
景時は溜め息を吐いて首を左右に振った。
「や… そりゃ、ムリだ。」
「なんで?
すでに犯罪者なんだから」
「違ェンだよ。
拉致も軟禁も、やったのはガチだケド…」
「そもそも、そんなのも不可能なンだよ。」
犯罪者呼ばわりにモゴモゴ反論する景時の言葉を継いだのは、またも薫。
「うさぎサマが大人しくしててくれたから、出来たコトなンだ。
あの人がその気になりゃ、厚さ30cmの鉄板で作った檻でも一瞬でゴミだ。」
こんなカンジ、と薫が紙ナプキンを片手でクシャっと丸めた。
薫がテーブルに落としたそれを、景時が手に取る。
丁寧に広げて、皺を伸ばしていく。
元の紙ナプキンには戻らないとわかっていても…