赤い月 肆

「姐御ぉぅぉぅ!!
男前すぎて、惚れるぅぅぅ!!」


「うさぎちゃ───ん!!
ありがとぉぅぉぅ!!」


「は? 待… ひゃ?」


祥子と小鞠が、狼狽えるうさぎに勢いよく抱きついた。

ハイ、またも女子だんごの出来上がり。


「や──め──て──!!!」


景時は床に膝を着き、両手をだんごに差し伸べて悲鳴を上げた。

俺もギュってしたいのに。
まだしてないのに。
うさぎは制服乱れてるのに。

女子でも素肌に密着とか、イヤすぎる─────!!

あぁ、前と一緒だ。
うさぎの足と、膝まである長い髪しか見えない。


(ん? 髪?)


キラキラしてるね。
銀色、キレイだね。

あら?
だんごの上から、赤い角も見え隠れ‥‥‥


「うさぎ??!!」


景時は飛び上がった。

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