赤い月 肆

「ぉぉぉオニ、銀銀、角!!
化け化けバケテナナナナナ…」


意味不明デスネ。
でも、焦りもすンだろ。

だってうさちゃん鬼じゃーん!!

前より少し強引に、景時がだんごに割り込もうとする。

が、やはり女子の団結力には敵わず、蹴りを食らって弾き出される。


「薫、薫、助けてっっ!!
うさちゃん、化けてないっ!!」


景時は半泣きで薫に助けを求めた。


「うん。
イーんじゃね?」


「は?」


茫然と見上げると、薫は笑っていた。

肩を震わせて片手で口元を覆い、いつもの爆笑の様相なのに、目がやけに優しい…


「もう知ってンだよ、前田も桜木も。
ソレでアレだ。
良かったな。」


「え‥‥‥」


キャー、と声が聞こえて振り返ると、バランスを崩しただんごが縺れ合って転がっていた。

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