赤い月 肆

うさぎと二人キリになってからの景時は、あからさまに挙動不審になった。

なんとか事故を起こさずバイクを運転し、マンションに辿り着けたものの…


「うううさちゃんん、ヘヘルメメッチョ…」


「…はい。」


「うううさちゃんん、ポスストみ見るからエレエレベベベ…」


「…ぼたんを押すのじゃな?」


部屋に戻ってからも…


「うううさちゃんん、き着替えたりゃ、ははははは話ががががが…」


「…着替えてくる。
ゆっくり話を聞いてやろう。」


不安そうなうさぎが、寝室に消えた。

あらら?

また心配させてる?
病んでると思ってる?

でもさ、おかしくもなンだろ。

緊張もすンだろ。

うさぎが俺をどー思っているのか、今からちゃんと聞くンだから…

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