赤い月 肆
「特に用はない。」
‥‥‥あら?
「じゃあさ、みんなでカラオケ行こーよ!」
「『からおけ』?」
「まさか知らない?
じゃ今日は、姐御のカラオケデビューじゃーん!」
「知らぬが…
では、ゆくか。」
‥‥‥あらららら?
景時は薫のスキンヘッドを支えに、ピョコンと立ち上がった。
なんか隣から文句が聞こえるが、まるで耳に入らない。
「うさちゃん、アイツは?
アイツ、今日は来ねぇの?」
「黒曜か?
さあ?
いつも、約束しておる訳ではないのでな。」