赤い月 肆
うさぎが細い指を顎に当て、首を傾げる。
あー、可愛い。
やっぱ可愛い。
違う違う、そーじゃない。
約束してンじゃねーンだ?
アイツが勝手に迎えに来てるだけなンだ?
でも、迎えに来たら‥‥‥?
「…
どーせ、来るンじゃねーの?」
(あ… ヤバ…)
ハイ、言った直後にすぐ後悔。
棘のある言葉を聞いたうさぎの表情は曇っていた。
「すまぬ、祥子、小鞠。
やはり妾はゆかぬほうが良さそうじゃ。」
「あ…
違… うさちゃ」
「いーの、いーの!
あのバカは誘ってねーから!!」
祥子が、青ざめる景時を睨んで言った。