赤い月 肆



トータルすると、『バカ杉バカ時』になっちゃうよ?俺。


(だが、その通り。)


バカ極めたよ。

罵って、うさちゃん。
いっそ踏みつけてくれよぉぉ!!


「鬼神サン、傷ついた顔してたぞ?
余裕なさすぎだろ。」


「本気の女を前にした男は、チェリー並みに余裕がなくなるモンなんデス…」


呆れ返って腕を組む大吾に、景時はボソボソと言い訳した。


「オメェがチェリーなのはよくわかったケドな?」


薫の低くキツい声。

違… や、もうソレでイイデス。

景時は下唇を突き出した情けない顔で振り向いた。


「ありゃねーだろ。
今のオメェじゃ、俺でも捨てるわ。」


「ぅー…」


「アイツ以外にも、うさぎサマ好きなヤツなんて、きっとゴロゴロいンぞ?
誰にも持ってかれたくねぇなら、もっとしっかりしろよ。」

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