赤い月 肆
静かに考えを巡らせる日々の果て、私がその店を出る日が来た。
手に取った者の顔を映した私は、愕然とした。
まさか、中年の男の元に行くなんて…
嫌だ!
醜い!
男の身体なんていらない!
早々に飲み込んでしまおう。
そう決意を固めた私は、男の家のある部屋に飾られることになった。
広がったその光景に、私の心は喜びに震えた。
そして奇跡に感謝した。
私が映したのは男の娘。
愛らしい少女だった。
なんて都合がいいんだろう。
相手が少女なら、いくらでも時間をかけられる。
少女には直接危害を加えず、大切なモノを奪っていくのはどうかしら。
小さな幸せを与えて、そしてそれを奪って。
オニも使い慣れてきた。
今度こそはうまくいく。
ゆっくりゆっくり、壊れておゆき…