赤い月 肆
「死ねぇぇぇぇぇ!!」
甲高い声と共に、鋭く尖った破片が景時を襲う。
細かいモノなら、ほっといても問題はない。
でも大きな破片で頸動脈でもやられちゃ、非常にマズい。
うさぎの呪を解くまでは、死ねない。
「結壁!」
景時は飛んでくる鏡の刃から、己をガードした。
だが弾かれても弾かれてもユラリと向きを変え、またすぐに牙を剥く。
きりがない…
景時は焦りを感じながら、チラリと元凶であるウォールミラーを見た。
…
傷が小さくなってる?
(えー…
自己修復機能付きとか…)
勘弁してよ。
一気に畳みかけなきゃダメなワケ?
ガツガツ突いてる間に、ザクザク切られンじゃん。
俺が死ぬか、アレが壊れるか、持久力勝負か‥‥‥
(ダメダメ。
うさちゃんの命がかかってンだから。
ここは慎重に…)
景時は斬鬼刀を消した。