赤い月 肆

なんでいきなり噛んでンだとか、出掛けるにしても元カレチョイスはねーだろとか、ツッコみドコロだらけだが、結論はコレだ。

ズバリ勘違い。


(ナニやってンの、まじで…)


薫は大きな溜め息を吐き、俯いたまま上目遣いでうさぎを見た。


「だから、先程の娘なら景時も悩みを打ち明けられるのではないかと思ったのじゃ。
気心の知れた仲なのであろう?
それでも駄目なら…
妾、しばらく家を出ようかと」


「やめたげて。
悪化どころか、アイツ死ぬから。」


「む…
でも、妾がおるせいで…」


彼女は眉を下げて下唇を軽く噛み、心底困り果てた顔をしている。

そうしていると、フツーの女のコだ。

あり得ないほど美人だが。

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