赤い月 肆
ナニソレ、コワい?!
それは… 病んでるわ。
(追い詰めすぎたか?)
薫はスキンヘッドを撫でながら、困ったように眉尻を下げた。
「‥‥‥ナンテ言ってンの?」
「それが…
『考えるな、感じろ』と…
なんのまじないであろう?」
…ナゼに、燃えよドラゴン?
一晩でなんの極意を極めたの?
あのバカは。
「薫、景時を薬師に診せてはどうであろうか。
もうあのような景時は見ておれぬ…」
うさぎは小さな手を揉み絞り、悲痛な声で薫に訴えた。
いやいや。
アレはお医者サマでも草津の湯でも…
だが…
(もう限界だろーな、コレ。)
薫は悲壮感を漂わせた瞳で見上げてくるうさぎから、目を逸らした。