赤い月 肆

ふーん、ドライブね。
ガチバトルじゃねーンだ?

それとも、車転がしたままでも殺れると思ってる?

恋に狂った男、ナメてンじゃねーゾ、コラ。

下唇を突き出して横目で睨む景時を見て、黒曜が可笑しそうに口角を上げた。


「イイね、おまえ。
チビ龍に聞いてた以上だわ。」


「え?
蒼龍ってボーズのコト?」


「そう。
人間にしては根性あるってさ。

それでも俺を見れば、尻尾巻いて逃げ出すと思ったケドな。」


ナンデスト?!

ナニ? その自信。

コレか。
コレなんだな?!


「世の中、顔面偏差値が全てだと思うなよ?!」


景時は、ふん、と頬を膨らませてそっぽを向いた。

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